top of page

3.空色の恋は永遠に

僕がまだ小さな青虫だったころ
優しい緑色の隙間からのぞく
綺麗な空色に恋をした。

 

あの青空に触れたくて

自由に飛び回りたくて

生懸命葉を食べた。

 

サナギになって

空をとぶ夢を見て眠り

念願の羽を得たときは、

どんなに嬉しかった事か…――

 

けれどその輝きが永遠ではないことを、

僕らはよく知っている。

 

せわしなく繰り返される生き死にを

人は儚いと言った。

 

でも、そんな僕たちだからこそ

一つの命を一生懸命生きる。

 

明日の空に恋をするのは、僕じゃなくても構わない…

 

予想もできないような遠い遠い未来まで

この命が廻りますよう

 

祈りながら舞う空は、今日も綺麗な青い色。

 

03.蟲

Please reload

Please reload

Color

Archive

Category

Please reload

Please reload

bottom of page