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14.言葉を波にのせて

この小さな箱の中には 世界と繋がる海がある


僕たちはその海に浮かぶ 小さな島のような存在だ


向こう岸の君は遠すぎて 手を握る事はできないけど

君が泣いている時は、なんとなく分かるよ


どうにか想いを届けたくて 僕は言葉を海に投げる


涙で増えた水かさに

君が沈んでしまわぬように 飲まれてしまわないように


「大丈夫。君は一人じゃない」

「遠いけど、僕らはちゃんと繋がってるんだ」

「ほら、顔をあげて。涙をふいて…。少なくとも僕は、君のことが好きなんだから…」


だから、一人ぼっちで消えようとしないで…――――


海に言葉の波が広がる

あっちでも、こっちでも…


僕の言葉が届いたのかは、僕自身には分からない

…それでも。


伝える想いがある限り、ここから波が消える事はない。

14.波

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