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35.ノスタルジア

環状線をぐるりと回り
再び止まる"今日"という駅


あの日私は必死に聞いた
「戻りの電車はいつ来るの」って
でも、本当はそんなのないと ちゃんと知っていたんだ


夜空が星で埋め尽くされた
街ごと波がさらって 今でも海辺には
黒い鯨が座礁している


それでも電車は走ることをやめない
人は歩くことをやめない

瞳に涙を溜めながら
それでも上を向き 笑うことをやめない


車窓から流れるように過ぎ去る景色には
戻りたいあの街や 会いたいあの人が映るけど
「また来るね」
そう呟いて私は"未来"という駅へ向かっている

35.ノスタルジー

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