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42.告白

今日は誘ってくれてありがとうございました。
おいしいご飯に、おいしいお酒。
それに…改めてみんなすごくいい人だなって思った。

…ちょっとだけ寄り道してもいいですか?




夜の公園って好き。静けさの中に、昼間の歓声が眠ってるみたい。
街頭の明かりが丸く照らして まるで… 舞台によく似てる。


…告白、しちゃおうかな。


本当は私、演じる側にずっと憧れてたんです。
昔、たった1度だけだけど舞台に立ったことがあって…。

楽しかったなぁ…
全ての人に「ありがとう」って感謝したくなるくらい素敵な時間だった。

でも、その後ダメになった。
少しだけ環境が変ったら、孤立しちゃって。
認められていない感覚が拭えなくて、表現するのが怖くなってた。
結局、忙しくなるのを口実にやめちゃった。


あれから結構経ったのに、やっぱり演劇が好きで…
側にいたくて、脚本家を志望したんです。
演じなくても演劇と関わっていられる方法がこれだったのかもしれない。

最初はね、正直、書かせてくれるならどこでも良かったし
お互い利用し、される関係でいいと思った。
できるだけ気持ちは開かないでおこう、その方が…――きっと楽だって。

だけど
いい人たちに出会って、あったかい言葉に触れて、演技に圧倒されて…
もう閉じたままの自分でいるのは無理だって思った。
この人たちと心から語り、笑いあいたいって…

だから、今日は少し勇気を出したんです。
すぐには上手くいかなくても、一歩一歩だなって。

いつか私が本当の私で自然にここで笑えるようになったら
その時は…今度は私から、ご飯に誘わせてください。

42.ごはん

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