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62.うそつき
キャラメルをひとつ、口の中に放り込んで
最近図書館で借りた本をぱらぱらと読み返す。
並べられた きらきらした言葉たち。
素敵だな、と思うと同時に
わたしの中の きらきら は、
もうどこか遠くの知らない町に置いてきてしまったような気がした。
最近何を見て
うわぁ、きれいだなぁとか
うわぁ、かわいいなぁとか
うわぁ、好きだなぁって… 感動したんだっけ。
毎日を平坦に、平坦に生きている。
顔文字ひとつで笑える時代。
お愛想笑いで合わせるわたしを
それでも時折「かわいい」と言ってくれる人がいる。
ぬるめのお湯につかりながら
例えばこのままわたしが死んでしまったら
やっぱりそれは醜い死体として発見されるのだろうなと
つながるような つながらないことを
ぼんやり考えていた 昨晩午前2時。
キャラメルが甘く 甘く 喉に引っかってくる。
「… うそつき」
わたしの中の きらきら。
あなたはまだわたしの中にいるのでしょうか?
わたしはどんな風に見えますか。
62.うわあかわいいな!
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