花見酒 なんだ、お前も花見か あぁ、俺ぁ酒はいい 頭痛くなるだけでちっとも酔えやしねぇ …今年も見事だな… こんな動乱の世でも変わらず桜が咲き誇るのを見ると… なんだか涙が出そうになるくらい 心の痛みが消えていくように感じる 俺ぁ桜の花が好きだ ...

頑張り屋のあなたへ 遠くからでも あなたの手を握り 抱きしめる事ができたなら どんなにいいだろう。 優しくて たくましくて いつも前向きなあなただけど 実はそこまで強くないって事 私はちゃんと知ってる。 だからもし 長い夜に 波の音に 聞こえぬ声に...

夜明け空の街 誰だ！お前…、まさかこの門の外から来たのか…!? ＜ギィー…＞ 駄目か…。…畜生!!やっと繋がったかと思ったのに……！ …あぁ。目の前のも後ろのも同じ街だよ。 この東門から出てっても、西門から入ったのと同じ事になる。 ...

「いつか」を失うその前に 初めて進路希望の紙を受け取り まだまだ先の事だと 適当に書いて出したあの日。 斜め前の席の君が それに何て書いたのか 妙に気になった自分がいた。 所詮片思い。 伝える勇気なんて、あるはずもなくて…。 でも ...

拝啓 夢追うあなたへ 拝啓 未来の素敵な絵描き様 この度は丁寧なお手紙をありがとう。 とても懐かしい思いで読ませていただきました。 昔の自分に出会ったような、そんな気分だった。 私の絵を観てくれたんだね。 ...

駆け出し絵描きの夢語り <ピンポーン…ピンポーン…> すみませんー ちょっと今出れないんでベランダの方回ってもらえますー？ ごめんなさい、手が汚くって！ え、あぁ画材屋さんの… あ、お釣り?! あっちゃー 私ったら急いでて… ...

小さな駅の小さなおはなし それは、小さな駅の小さなおはなし。 「父さんはどうしていつもそこにいるの？ あったかいから？安全だから？それとも、お菓子をくれるお客がいるとか！」 末っ子のチビがそう聞いた。 小さな駅の小さなベンチ。その横がぼくの定位置だ。 ...